マイニングという単語を聞いたことはあっても、その詳しい意味は知らない、という方は少なくないかと思います。
マイニングとは、仮想通貨の健全性を支える非常に大切な仕組みであり、また、ユーザーから見た場合は、報酬を得られる貴重なチャンスでもあります。
今回の記事では、マイニングの仕組みと種類、参加方法などをまとめて詳しく解説いたします。
今日、マイニングという単語を初めて聞いた人でも、簡単に理解できる内容になっていますので、まずはご一読をおすすめ致します。
仮想通貨について
仮想通貨は、最近注目を集めている、新しい通貨です。
法定通貨(円やドルなど)と比べて取引手数料が小さく、遠く離れた国にいる相手にも短時間で送金できるのが大きな特徴です。
現状は、投資の対象として見られる事が多いですが、本来は我々の生活や仕事の利便性・効率性をあげてくれる新しいツールです。
仮想通貨とは?
仮想通貨とは、中央銀行や国家などの公的な主体や特定の管理者を通さずに発行される、インターネット上でやりとりできる電子的な通貨です。
具体的には、以下の定義を満たすものを言います。
1.不特定多数のものとの支払い・取引に使用でき、法定通貨と交換できる
2.電子的に記録され、移転できる
3.法定通貨、もしくは法定通貨建ての資産ではない
この定義を満たさないものは、仮想通貨には含まれません。
例えば、電子マネーは、(3)の条件を満たしていない(法定通貨建ての資産である)ため、仮想通貨とはみなされません。
各企業の提供するポイントサービスは、(1)の条件を満たしていない(不特定多数のものとの支払い・取引に使用できない)ため、やはり仮想通貨とはみなされません。
仮想通貨は、現時点ですでに1500種類以上あるとされており、その中でも特に有名なのがビットコインです。
その他にも、イーサリアム(Ether)、リップル(XRP)、ライトコインなどがあり、それぞれ開発に至った経緯や総発行枚数、取引にかかる時間などが異なります。
仮想通貨を手に入れるには?
仮想通貨は、様々な方法で入手できますが、その中でも代表的なのは
- 取引所で購入する
- 人からもらう
- マイニングする
の3つです。
取引所で購入する
仮想通貨取引所は、仮想通貨を取引するためのWeb上の取引所です。
特定の企業が運営する「中央集権型取引所」と、そうした運営が存在しない「分散型取引所」があり、現時点では前者がメジャーです。
今回の記事では、「中央集権型取引所=仮想通貨取引所」として話を進めます。
仮想通貨取引所は、仮想通貨を売りたい人と買いたい人が集まる場所です。
仮想通貨取引所の運営は、売りたい人と買いたい人の両者の仲介を行い、その見返りとして手数料を受け取ります。
仮想通貨取引所で「買いたい」という注文を出せば、自動的に「売りたい」という注文を出した人とマッチングされます。
なお、仮想通貨取引所とよく似たサービスに、「仮想通貨販売所」があります。仮想通貨販売所は、運営とユーザーが仮想通貨を売買するサービスです。
仮想通貨販売所は、買取価格と売却価格に差をつけることによって利益を得ています。仮想通貨取引所が、仮想通貨販売所を兼営していることもしばしばあります。
人からもらう
仮想通貨は、法定通貨と比べて簡単に人からもらったり、人にあげたりすることができます。
実際には、無償でもらったりあげたりするよりも、支払いの手段として使われることのほうが多いです。
例えば、ビックカメラでは、全店舗で仮想通貨の代表格であるビットコインでの支払いを受け付けています。
ビットコイン決済は、手数料が安く世界共通の通貨であるため、外国人旅行客の利用増加が見込めるなど、多くのメリットがあります。
マイニング
マイニングとは、直訳すれば「採掘」ですが、より正確に言えば「取引の承認・確認作業」です。
多くの仮想通貨は、ブロックチェーンという電子的な取引台帳で、取引が管理されています。この取引台帳に書き込む行為を、マイニング、それを行う人をマイナーといいます。
ブロックチェーンは、ブロックと呼ばれる電子的な箱が時系列順につながったものです。ブロックは一定時間ごとに生成され、その中に個別の取引が格納されます。
このブロックを生成する行為こそが取引台帳に書き込む行為、すなわちマイニングです。
多くの仮想通貨では、マイニングを行うとその見返りとして報酬が受け取れる、というシステムを採用しています。
そうしないと、誰もマイニングをしてくれないからです。なんの得にもならないのにわざわざ面倒な作業をしてくれる人はいないですよね。
マイニングは?
マイニングとは、新しくブロックを生成する行為のことです。マイニングにはいくつかの仕組み「コンセンサスアルゴリズム」があります。
マイニングの仕組み
マイニングには、いくつか方式があり、それぞれ仕組みは異なります。この仕組みを「コンセンサスアルゴリズム」といいます。
コンセンサスアルゴリズムは、「誰にブロックを生成する権利(報酬を受け取る権利)」を与えるか、について定めたルールです。
ここでは最もよく採用されている「PoW(Proof of Work)」と、その次に採用されている「PoS(Proof of Stake」」、PoI(Proof of Importance)」について解説いたします。
PoWとは
PoWは、最も同時に非常に難しい計算を行い、それを最も早く解き終えたものにブロックを生成する権利(報酬を受け取る権利)を与えるシステムです。
セキュリティ面では大変優秀ですが、その一方で計算競争になるため、電力消費量が大きくなる、計算能力の高いコンピュータを保有するマイニンググループによる寡占化が起こりやすい、などの欠点があります。
ビットコインを筆頭に、多くの仮想通貨で採用されています。
PoSとは
PoSは、仮想通貨の保有量が高いほど、ブロックを生成する権利(報酬を受け取る権利)が与えられやすくなるシステムです。
例えば、コインを1000枚保有している人と、100枚保有している人では、前者のほうが10倍権利を得られる確率が高くなります。
コインの保有量に報酬が比例するという点では、銀行預金に似ています。
電力消費量が少なく、計算能力の高いコンピュータも不要ですが、富の集中化が起こりやすいという欠点があります。
PoIとは
PoIは、仮想通貨に対する重要度が高いほど、ブロックを生成する権利(報酬を受け取る権利)が与えられやすくなるシステムです。
重要度は、通貨の保有量、使用頻度などを総合的に勘案したものです。
PoSと似ていますが、使用頻度も考慮されるため、経済圏が活性化しやすいというメリットがあります。
マイニングの種類
マイニングは1人でもできますし、複数人でもできます。
通常、マイニングを行うには専用の機器が必要ですが、「クラウドマイニング」という方法を選べば、お金を出すだけでマイニングに参加できます。
ここでは「クラウドマイニング」「プールマイニング」「ソロマイニング」の意味と、メリット・デメリットについて説明いたします。
クラウドマイニング
クラウドマイニングとは、投資家がマイニング団体に投資することによって利益を得る仕組みです。
マイニング団体は、投資された資金をもとにマイニング用の設備を整えてマイニングを行い、そこから得た利益を投資額に応じて投資家に分配します。
マイニング専用の機材を用意する必要がなく、電気代などもかからないため、簡単に始められます。
マイニング団体によっては、信頼できないようなところもあるため、適切なところを選びましょう。
最近は、GMOやDMMなどの大手企業もクラウドマイニング事業を始めているため、そういうところを選ぶといいでしょう。
プールマイニング
プールマイニングとは、複数のマイナーが協力してマイニングを行う仕組みです。
各マイナーは、自身のリソースを提供します。得られた報酬は提供した計算能力に応じて分配されます。
自分がマイニングした場合でも、同じマイニングプールの誰かがマイニングした場合でも、得られる報酬は変わりません。
複数人で協力するという点は、クラウドマイニングに似ていますが、こちらは自らコンピュータを用意する必要があります。
ソロマイニング
ソロマイニングとは、1人でマイニングを行うことです。
ビットコインなどの強力なマイニングプールが存在する仮想通貨では、存在しないも同然ですが、知名度が低い仮想通貨ならば、ソロマイニングもある程度は成功します。
利益を独占できるのが最大のメリットです。
マイニングのやり方
ここでは最もメジャーなプールマイニングのやり方について説明します。
プールマイニングには
- 演算装置
- 仮想通貨を保管するウォレット
- マイニングソフト
が必要です。
演算装置には
- CPU
- GPU
- ASIC
の3種類がありますが、CPUは計算能力が低く、ASICは個人で買うには高価すぎるので、基本的にはGPUがおすすめです。
これらを用意したら、マイニングプールに登録します。登録の際にはワーカー(プールマイニング時に使うハンドルネーム)を設定します。
マイニングソフトは、自分の環境にあったものを使うことで、より効率的なマイニングが可能になります。
マイニングにかかる費用は?
マイニングにかかる主な費用は、GPU代と電気代です。GPUはミドルクラスならば5万円程度、電気代は、地域やプランによって異なります。
まとめ
仮想通貨のマイニングとは、その健全性を支える非常に重要な仕組みであると同時に、投資家にとっては仮想通貨を得るための仕組みでもあります。
マイニングにもいろいろな種類がありますが、クラウドマイニングやプールマイニングは比較的ハードルが低く、参加も用意です。
仮想通貨を得たいという方は、始めてみてはいかがでしょうか。
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