仮想通貨FXとは?仕組みや現物取引との違いとは?

仮想通貨FXとは?仕組みや現物取引との違いとは? 仮想通過

「仮想通貨FXはとても危険なものである」というイメージをお持ちの方は少なくないでしょう。

確かに仮想通貨FXは現物投資と比べてハイリスクですが、その分大きなリターンを狙えるというメリットもあります。

「そう言われてもFXって難しそうだし……」と思われている方もいらっしゃるかもしれませんが、心配はいりません。

本記事では、仮想通貨FXで絶対に抑えておきたい

  • レバレッジ
  • ロング・ショート
  • ロスカット
  • 追証
  • レバレッジ手数料

の仕組みについて分かりやすく、詳しく解説していきます。

初めて仮想通貨FXに取り組むという方、他のサイトの説明の意味がわからなくて困っているという方は、是非参考にしてください。

仮想通貨FXは「資金の数倍~数十倍の取引ができる新しい投資」

仮想通貨FXとは、証拠金というお金を仮想通貨取引所の口座に預けることによって、その金額の数倍~数十倍の金額が取引できるようになる仕組みのことです。証拠金に対する取引額の割合をレバレッジといいます。

例えば、レバレッジ上限が10倍の取引所では、10万円の元手(証拠金)を預け入れるだけで、最大でその10倍=100万円の取引ができます。

仮想通貨FXは、現物取引と比べてより少ない元手で大きく稼げる可能性が高い反面、大きな損失を出す可能性も高いため、初心者が気軽に手を出すのは危険です。

興味がある方もいきなりトライせずに、まずはこの記事で仮想通貨FXの基礎中の基礎を学んでいってください。それだけで安心・安全度がぐっと高まります。

仮想通貨の現物取引と仮想通貨FXの「2つの違い」とは

仮想通貨取引は大きく、現物取引と仮想通貨FX(証拠金取引)に分けられます。主な違いを表にまとめると以下のようになります。

現物取引 仮想通貨FX
レバレッジを掛けられるか(元手以上の取引ができるか) 掛けられない 掛けられる
ショートポジションを取れるか(売りから入れるか) 取れない 取れる

仮想通貨FXではレバレッジを掛けられる

先程も少し触れましたが、仮想通貨FXは、レバレッジを掛けることによって、元手(証拠金)の数倍~数十倍の取引ができる仕組みです。

レバレッジがどれだけ掛けられるかは仮想通貨取引所によって異なります。

例えば、国内の場合はLiquidの25倍が最大です。もちろん、必ずレバレッジを最大にしなければならない決まりはありません。

なぜ仮想通貨FXでは預け入れた金額の数倍~数十倍もの取引ができるのでしょうか?答えはズバリ、「差金決済」を採用しているからです。

差金決済とは、決済時に資産(この場合は仮想通貨)の受け渡しをせず、売却金額と買付金額の差額(差金)のみを決済するシステムです。

ちょっと分かりづらいと思うので、現物取引との違いを交えながら説明していきます。

現物取引で、1BTC=100万円で取引されているビットコインを1BTC分買う場合、買主は100万円を支払う必要があります。

買った時に、一時的にビットコインは自分の手元に置かれます。(このビットコインは自分の所有物であるので、売らずに自分で決済手段として使うことも可能です)。

その後105万円になった時に売れば、差し引き5万円の利益を得られることになります。

5万円の利益が得られたのは嬉しいですが、5万円の利益のために、一度100万円を支払った後で105万円を受け取るというのは手間がかかりますよね。

一方、レバレッジ10倍の仮想通貨FXで1BTC=100万円で取引されているビットコインを1BTC分買う場合は、10万円を証拠金として口座に預け入れるだけでOKです。

現物取引のように、100万円を支払う必要はありませんし、証拠金の10万円を払う必要もありません。

そのかわり買い注文が成立しても、ビットコインが自分の手元に置かれることはありません。あくまでも将来売る権利を得るだけです。

その後105万円になった時に売った場合、売却価格と買付け価格の差は5万円です。この5万円が「差金」であり、口座に振り込まれる金額です。

上記の取引の場合、現物取引では100万円の資金で5万円の利益を得ているため利回りは5%ですが、仮想通貨FXでは10万円の証拠金で5万円の利益を得ているため利回りは50%です。

少ない資金でも多くの利益が得られるわけです。

しかし、逆にビットコインが95万円になった段階で売った場合、現物取引だと利回りは-5%にしかなりませんが、仮想通貨FXだと利回りは-50%になります。

仮想通貨FXは、プラスの利回りもマイナスの利回りも大きくなる、諸刃の刃であるということは覚えておきましょう。

仮想通貨FXは先に売って後で買うことができる

現物取引は実際に現物資産(仮想通貨)をやり取りするので、「先に買ってあとで売る」ことしかできませんが、差金決済を採用している仮想通貨FXでは、「先に売ってあとで買う」ことも可能です。

もちろん、現物資産と同じように「先に買ってあとで売る」ことも可能です。

FXの世界では「先に売ってあとで買う」ことを「ショート」、「先に買ってあとで売る」ことを「ロング」といいます。また、それぞれの持ち高を「ショートポジション」「ロングポジション」といいます。

現物取引では原則として相場が上昇していなければ利益が出せませんが、仮想通貨FXでは「高く売って安く買う」を実現させれば下落相場でも利益が出せます。

逆に言えば、上昇相場のときにショートポジションを取っていると、含み損が拡大することになります。

仮想通貨FXで借金する危険性を極力減らす「ロスカット」と「追証」の仕組み

仮想通貨FXでは、元手の数倍~数十倍もの取引を行える仕組みです。その性質上、利益も損失も大きくなります。

利益が出る分には全く問題ありませんが、逆に損失が発生すると借金を背負いかねません。これを防ぐための機能が「ロスカット」と「追証」です。

ロスカットは損失が拡大した時にポジションを自動解消する仕組み

ロスカットとは、一定の含み損(確定していない損失)が発生した時に、保有ポジションを強制的に解消する仕組みのことです。

例えば、将来の値上がりを見込んでロングポジションを取ったにもかかわらず相場が下落した場合、大きな含み損を抱えることになります。

この損失が一定以上の額になり、これ以上放置すると危険だということになった場合、仮想通貨取引所はロスカットを行い、損失を確定させます。ロスカットの判断基準となるのは、証拠金維持率です。

証拠金維持率は以下の式で求められます。

証拠金維持率=有効証拠金÷必要証拠金×100%

有効証拠金(現時点で有効な証拠金)=資産合計+評価損益

必要証拠金(ポジションを取るために最低限必要な証拠金)=買付/売却金額÷レバレッジ

この式だけでは、なんのことやらサッパリかと思いますので、具体例を上げて説明します。

レバレッジ25倍の取引のため口座に100万円を預け入れ、1BTC=10万円の時に100BTC(1000万円)を購入した場合

まずは有効証拠金を計算してみましょう。有効証拠金とは、口座に預け入れた資産合計額に、評価損益(含み益or含み損)を加えたものです。

購入時点では含み益も含み損もないので口座に預け入れた資産合計額=100万円がそのまま有効証拠金となります。

一方、必要証拠金とは、ポジションを取るために最低限必要な証拠金のことです。

必要証拠金は、最初の買付額をレバレッジで割ったものです。この場合、買付金額は1000万円、レバレッジは25倍なので、必要証拠金は1000万円÷25=40万円となります。

したがって証拠金維持率は100万円÷40万円×100=250%となります。

購入後、1BTC=10.5万円になった場合

この場合、含み益が50万円(0.5万円×100BTC)出ているので、有効証拠金は100万円+50万円=150万円となります。

一方、必要証拠金は変わらず40万円のままです。したがって、証拠金維持率は150万円÷40万円×100%=375%となります。

購入後、1BTC=9.5万円になった場合

この場合、含み損が50万円(0.5万円×100BTC)出ているので、有効証拠金は100万円-50万円=50万円となります。

一方、必要証拠金は変わらず40万円のままです。したがって、証拠金維持率は50万円÷40万円×100%=125%となります。

含み損が出ると証拠金維持率は下がる

ここまでの計算を見てきてすでにお気づきの方も多いかと思いますが、含み益が出れば証拠金維持率は上がり、含み損が出れば証拠金維持率は下がります。

仮に含み損の金額が資産合計を上回った場合、証拠金だけでは含み損を打ち消しきれず、借金を背負うことになります。

そういったことがないように、各仮想通貨取引所は、証拠金維持率がプラスの段階で強制的にポジションを解消する、ロスカットの仕組みを採用しているのです。

必要な証拠金維持率は仮想通貨取引所毎に異なりますが、国内の場合は最も高いところがLiquidで110%、最も低いところがBitbankで20%です。

これが高いほどロスカットされやすくなります。ロスカットされやすいということは、大きな損失が出にくくなるということでもありますが、意図しない取引が行われやすいということでもあります。

なお、ロスカットの仕組みはいつでも必ず正常に働くとは限りません。相場急変時には借金を背負う可能性がないとは言えません。

借金のリスクを下げるためにも、はじめのうちは資産合計を増やし、レバレッジも低めに設定して取引を行いましょう。

追証とは

追証とは、証拠金維持率が一定の数値を下回った場合に、追加の証拠金を仮想通貨取引所に支払うように仮想通貨取引所から求められることです。

読み方は「おいしょう」です(追加証拠金の略なので「ついしょう」と読んでしまいがちですが、それは間違いなので注意しましょう)。

上記の証拠金維持率の数式を見るとわかりますが、含み損が出ていても、資産合計を増やす(新たに証拠金を預け入れる)と証拠金維持率は上がります。

追証は「このままだとあなたはロスカットされてしまいますから、新たに口座にお金を預け入れて証拠金維持率を回復させてくださいね」というお知らせです。

無視していると強制的に決済されてしまいます。追証のお知らせから強制決済までの期間は取引所毎に異なります。

ロスカットは全ての仮想通貨取引所に設定されていますが、追証はあるところとないところがあります(ないところのほうが多いです)。

追証ありの仮想通貨取引所は気づかないうちにロスカットされてしまうのを防ぎやすい反面、ズルズルと含み損を増やし続けることにもなりかねないので注意が必要です。

レバレッジ手数料にも注意

レバレッジ取引手数料とは、日をまたいでポジションを維持した場合に支払う手数料のことです。スワップポイントと呼ばれることもあります。

例えば、GMOコインの場合は以下のように設定されています。

  • 買建玉(ロングポジション)レバレッジ手数料=買建数量×買値(終値)×0.04%
  • 売建玉(ショートポジション)レバレッジ手数料=売建数量×売値(終値)×0.04%

レバレッジ手数料の確定時刻は仮想通貨取引所によって異なります。

例えば、GMOコインの場合は朝6時となっています。

100BTCを1日持ち越し、その時点での1BTCの価格が10万円だった場合、レバレッジ手数料は100BTC×10万円×0.04%=4000円となります。

保有期間が伸びれば、それだけレバレッジ手数料もかさみます。そのため、基本的に仮想通貨FXは短期決戦向けといえます。

仮想通貨取引所の選び方

仮想通貨FXは多くの仮想通貨取引所が提供していますが、そのサービスの内容は取引所毎に異なります。

仮想通貨取引所は基本的に

  • レバレッジ手数料
  • 最大レバレッジ倍率
  • 追証基準
  • ロスカット基準
  • 取扱通貨ペア
  • サーバーの強度

の6つを比較して決めます(他にも細かい差異はあるのですが、初心者の方はまず上記6つを抑えてください)。

以下に主要な国内、及び海外の仮想通貨取引所の比較表を掲載しておきますので、自分の好みに合ったものを使ってください。

初心者のうちから高いレバレッジを掛けるのは危険なため、自制心に自信のない方には最大レバレッジ倍率が低めに設定されているところをおすすめします。

レバレッジ手数料 最大レバレッジ倍率 追証基準 ロスカット基準 取引通貨ペア サーバーの強度
GMOコイン 0.04% 10倍(アルトコインは5倍) なし 75% 5通貨
BITPOINT 0.035% 4倍 120% 100% 1通貨
LIQUID 0.05% 25倍 なし 20% 12通貨
Bitbank なし 20倍 なし 20% 1通貨
Zaif 0.039% 25倍 なし 30% 1通貨
Bitflyer 0.04% 15倍 80% 50% 1通貨
BitMEX(海外) 最大0.375% 100倍 なし 50% 6通貨

まとめ

仮想通貨FXは一見難しそうに見えますが、レバレッジ、ロング・ショート、ロスカット、追証の仕組みを知っていればそれだけで大きく損失を出す可能性を格段に減らすことができます。

この3つの仕組みを大まかに理解できたら、まずは低いレバレッジで取引を始めてみてください。

はじめのうちはスムーズに利益を出せないかもしれませんが、実際に取引を初めて気づくことも多々あるはずです。

あとは経験、更には書籍やWebサイトからも情報を集め、自分だけの取引スタイルを確立していってください。

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