FEC PROJECT#10

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 PROJECT FILE #10   手感的妙 

  台北: Contemporary airy crafts from Japan to Taiwan

  Part1: 2010.1.9-2.28 飯田竜太、SHIMURABROS.、金氏徹平

  Part2: 2010.3.13-4.25 泉啓司、岩崎貴宏、劉文瑄、林昆穎

クラフトマンシップ、手先の軽やかさ、そして繊細さ。海外ではとかくサブカルチャー的な要素に囚われがちな日本の現代美術シーンにも、それらに括ることのできない新しい日本人らしさを秘めた作家が多く登場しています。彼らは物質に立脚しつつも、1960年代に始まった美術運動「もの派」とはまた違ったスタンスで「もの」と接し、関わり、そしてそれらに自ら丁寧に手を加えていくことで作品を作り上げています。

「もの派」の作家は、何かを創造するというよりは、「もの」を再構築し、「もの」とそれを取り巻く環境との相互依存的な関係性に注目し、「もの」の既成概念を崩して、新しい関係性を築き上げることに挑戦しました。こういったアプローチは、本展の参加作家の作品の制作姿勢とも共通する部分がありますが、「もの」に対する感覚が「もの派」の時代から大きく変化している今、彼らが創り上げる作品の佇まいは大きく異なります。

では今はどのような時代なのか―1970年以降に生まれた今回の参加作家は、大量生産、大量消費時代の中を生き抜き、多くの商品や情報に囲まれながら成長し、ものの大切さ、そして何を信じるべきか、全てが曖昧な意識の中で生きている世代と言えます。よって、彼らは「もの派」のスタンスに通じるものがあっても、それぞれの作品は、「もの派」とは違う、軽やかなる現代工芸(Contemporary Airy Crafts)のように見えてきます。

また、手を加えていくことで物質の存在感や意味性を軽やかにしていくのは、日本人ならではの特徴と言えます。中国では手を加えれば加えるほど、物質はより装飾的になり、存在感や意味性はより重くなり、また、表面性を重視する韓国では、このような細やかな手の運動を感じられる作品はあまり見かけません。新しい日本人的姿勢で、しかし、しっかりと手を動かして軽やかな工芸的作品を作り上げる彼らは、21世紀の「もの派」作家なのかもしれません。

飯田竜太は、彫刻を創るアプローチで本を丁寧に切り刻み、金氏徹平は、身の回りに溢れる異なるメディアをリズミカルに組み合わせ、シムラブロスは異分野のクリエイティビティーを横断する。パート1では、「メディア」や「領域」を軽やかに行き来し合う3組の日本人作家が参加し、紙、プラスチック、漆、写真、映像などの異なるメディアの作品が展示空間に散りばめられます。

パート2では、空想的で不可思議な人間の木彫を制作する泉啓司と、タオルや本のしおりなどの糸と解きほぐし別世界を再構築する岩崎貴宏が、紙素材を巧みに操る劉文瑄と、アクリルなどの科学素材を美しく組み合わせる林昆穎の2名の台湾人作家と共に展覧会を創り上げ、木、糸、紙、科学素材といった異なる「物質」が空間を埋め尽くします。

「物質」「メディア」「領域」を横断し、手感的妙で形を変えて錯綜する作品群、そして新しい日本人的感覚とそれにシンクロする台湾人新世代とのコラボレーションによる本展は、今後の新しい東アジアのアートシーンの地平線を切り開いていくでしょう。

主催:FEC就在芸術空間  後援:財団法人交流協会、台北市文化局  合作:ARATANIURANOShugoArtsTaka Ishii GalleryTSCA

会場 / Venue: 就在芸術空間 / Project Fulfill Art Space
住所 / Address: 台北市大安區信義路三段147巷45弄2號一樓 / 1F, No.2, Allery 45, Lane 147, Sec.3, Sinyi Rd. Taipei 10658, Taiwan
営業時間 / Opening Hours: 13:00-18:00 毎週一公休 / Closed on Monday

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