FEC PROJECT#0

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 PROJECT FILE #0   FEC始動! Starting FEC! 

  Creative Platform for artists in Far East



同世代の面白い人たちと、面白いことをするために

「このご時勢にコンテンポラリーアート?」「何でそんなこと始めたの?」「FECっていったい何?」今までいろんなお仕事をさせていただいたこともあり、想像通りいろいろな分野の人からこのような質問をいろいろ受けるので、まずはそこらへんからゆっくりと書き始めてみたいと思います。
FECを始めようと思い立った理由はいろいろあるんですが、やはり一番の目的は、今の日本社会にはびこる組織の理論やしがらみからなるべく解き放たれた立場で、同世代の面白い人たちと、面白いことしていきたい、それに尽きます。私が大好きなアーティストの一人のチン↑ポムさんが2008年の4月からインドネシアで開催されている展覧会のカタログの中にある「インドネシアの印象はどのようなものですか。」という質問に、「個人というものが職業という名の下に回収されておらず、日本における過剰なお客様第一主義によりかもしだされる硬い空気が流れていないところが大変気に入っています。」と答えているように、なんか今の日本はちょっと病気的。アート界に関わるようになってから、画廊、メディア、オークション、美術館、アートフェア、トリエンナーレなどの国際大型展、オルタナティブスペースなど現代美術を取り巻く今の環境をいろいろな角度から客観的に捉える努力をしてはきましたが、「アート界の常識は世間の非常識、世間の常識はアート界の常識」と言われてみたり。もちろん関係性から成り立っている部分はあるにしても、海外から今の日本を冷静に見てみると、逆にこのような状況こそ非常に奇妙に映って仕方がありません。周りの優秀な同世代は会社に搾取されて鬱にはなってしまうし、皆いつも「社会人だから」とか「忙しいから」などと言って、本来個人としてやりたいと思っていることが実現しにくい社会になってしまっているな、と。そんな意味では、同世代が必死に夢に向かって頑張っている中国の方がいろいろ問題はあるにせよ、まだ健全なんじゃないか、と思うほど。
自分は現代美術によって救われた人間でもあり、たくさんのアジアのアーティストにやアート関係者からいろいろなことを学ぶことが出来たこともあり、そんな立場で、今までのサポートいただいた皆さんに感謝しながら、面白いことするためにFECを始めることにしたのです。

Un-Cosplayers(平民コスプレイヤーズ)

1.tifFECのアイデアの最初のきっかけになったのは、中国人アーティストで今年の横浜トリエンナーレの参加作家でもある曹斐とのコラボレーションプロジェクト「Un-Cosplayers」でした。2006年の春、以前から憧れのアーティストで、いずれ一緒にプロジェクトをしたい!と思っていた彼女に展覧会の相談をしてみたところ、波長が合ってとんとん拍子で話が進み、北京で私が以前働いていたBTAPでパフォーマンスを開催、そしてその後に作品の制作までに発展したのでした。今まで既に完成された作品をどう展示し、(ギャラリーの場合は)どう販売するか、ということしか考えるケースしかなかったのですが、この機会を通じて、同世代の作家は国なんか関係なく、皆面白いことをしたがっている、そしてそういった機会を面白く作れれば、予想できない面白い作品が出来上がるし、作家も、それに関わる人もみんな楽しみながら仕事が出来て、支えあえるんだ、という実感ができたんです。実際にこのプロジェクトでも、ギャラリースタッフ総出でコスプレして、回りの住民らも巻き込んで作品が完成し、私自身も作品の中に登場したりしています。
こんな機会を通じて仕事をしたとき、2001年に私が最初に現代美術と関わるきっかけとなった第一回目の横浜トリエンナーレが頭をよぎりました。その時は有名な作家が海外から多数来日して、私はドイツのヨンボックさん、イスラエルのウリツァイグさんなどの作品の設置を手伝ったんですが、やはり作家と関わっていろいろと無駄話したり真剣に考えたりしながら作品を準備するプロセスはスリリングで面白い、こんな経験を続けていけるような仕組みを作ることは出来ないものか、と考え始めるようになりました。

桜花樹下と内湯

PJ・・Liu.jpg2007年にZAIMで開催されたART LAN ASIA展の関連プログラムとして実現した劉小東の「桜花樹下・内湯」も、FECのアイデアを更に膨らますきっかけとなったプロジェクトでした。「満開の桜の木下で、レンブラントのテュルプ博士の解剖学講義の構図で中年サラリーマン男性と裸の女性を配置、女体盛の宴が開かれている様子を描きたい」というものでした。このようなはちゃめちゃな要求を受けたのは初めてでしたが、正直燃えました。
まず、裸の女性を桜の木下に寝かすことが可能な場所探しから始め、モデル募集と手配、作品制作ができる環境づくり、記録の手配、などなどいろいろな準備をしました。多くの人からこんなの実現できっこない、と言われながらも作家とコミュニケーションを取りながら一緒に解決策を見つけ出したり、作品を作り上げていくプロセスは非常にエキサイティングなものでした。そして、無事に「桜花樹下」の作品が仕上がった後、今度は温泉を描きたいとの話となり、急遽今回の撮影のご協力を頂いていた、樋口さんのご紹介で福島の山奥の温泉へ出向き、そこで完成した作品が「内湯」です。ちなみに温泉でくつろいでいるのは私自身です(熱いお風呂でのポージングはかなり大変でした、笑)。ちなみにこの2作品はそれぞれ1000万ドル!で既に販売に至ったようで、中国大陸のコレクターと台湾のコレクターに引き取られていきました。
多くの地元サポーターに支えられ進めることができた本プロジェクトを通じて、アートプロジェクトを進めるにはサポーターの存在がとても重要で、そして何より、作家の制作プロセスに関われる機会をつくることができれば作家もサポーターもハッピー。中国や韓国などの身の回りのアジアの国々と手を組み工夫すれば、新しい仕組みが作れるような実感もでき、そのようなプラットフォームとして行き着いたアイデアがFECでした。


FECの由来

「ファーイースト」には、欧米から見たアジア、極東、そして地の果て的な響きがありますが、これには、アジアを独りよがりに見せるだけでなく、欧米などのアジア地域外から見られる視点を意識しながら活動したいという思いがあります。また、21世紀を迎えた今、西洋的な文脈でしか語られなかった美術の世界において、「ファーイースト」からも面白いもの・ことがぶくぶく沸きあがっている、欧米の人だってそれを見逃さずにはいられないし、アジアの中でももっとお互いを知り合おうよ、という気持ちを促していきたいと思っています。そして、「コンテンポラリーズ」は、現代美術に限らず今同時代的に起こっているクリエイティブな事象を広く含み、かつ同世代の人たちとそれらを盛り上げていきたい、そして、ヒエラルキー型ではない、皆がフラットに関われる組織体にしていきたいという思いがあります。

4月13日:キックオフイベント

P1050109.JPGP1050107.JPGFECのキックオフイベントとして、4月13日にキックオフイベントを開催しました。お昼の12時から夜の11時までというかなりの長丁場イベントを企画しまして、昼はFECRの拠点となる馬車道スタジオのベランダでバーベキュー。霧雨が降っていて開催が危ぶまれましたが、11時55分にどうに止んで神様に救われた気分で開催。
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夕方からはZAIMに移動し、地下でコラボレーションアーティストのSHIMURABROS.のオープンスタジオとFECのオフィスを開放。デザインタイドで好評たっだX-RAY TRAINを中心にSHIMURABROS.の作品を多くの方に見ていただくことができました。
お越しいただいた方は、私が今までお世話になった方々+その友人ら計50名ほどでした。結構盛り上がり楽しい一日となりました。来ていただきました方、ありがとうございました!

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